朝混みあった電車に乗っていると、前のおじさんの顔の頬からあごの辺りを、 何か黒い小さいものが動いている。何だろう。
よく見てみると、蟻さんだった。
蟻さんは、きぜわしくおじさんの顔を歩き回っている。 右頬からあごを通って左頬に。 まるで、喜望峰を抜けて南インド洋へ向かうクック船長のようだった。言い過ぎ。
しかしあごをアフリカ大陸に例えられてしまった偉大なおじさんは、 そんな虫けら(文字通り)の動きなど全く気にせず、 朝っぱらのアンニュイな表情を保ち続けていたのだった。 気付けよ。
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朝混みあった電車に乗っていると、前のおじさんの顔の頬からあごの辺りを、 何か黒い小さいものが動いている。何だろう。
よく見てみると、蟻さんだった。
蟻さんは、きぜわしくおじさんの顔を歩き回っている。 右頬からあごを通って左頬に。 まるで、喜望峰を抜けて南インド洋へ向かうクック船長のようだった。言い過ぎ。
しかしあごをアフリカ大陸に例えられてしまった偉大なおじさんは、 そんな虫けら(文字通り)の動きなど全く気にせず、 朝っぱらのアンニュイな表情を保ち続けていたのだった。 気付けよ。
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